2010年10月 のアーカイブ

Ojja

2010年10月24日

9月に友人らと訪れた元町のスレストラン「カセント」が、一昨日発売のミシュランで三つ星を獲得しました。「そのために旅行する価値がある卓越した料理」とのコメントが載っています。料理のジャンルは、スペイン料理かと思っていましたが「フュージョン」とあります。タパスなどスペイン風の小皿が独創的に少量ずつアレンジされて並びましたが、フレンチぽくもありイタリアンぽくもあり、国境を越えた料理というわけなのですね。

メインディッシュのあとに出てきたのは「ヴァレンシア風おじや」これは、スペイン語で「Ojja」と書かれていました。「おじや」は鍋のあとの雑炊、純日本製の料理だとばかり思っていましたが、そうではなかったのです!スペインの「Ojja」が宣教師たちと一緒に海を渡ってきて日本に伝わったものだったのですね。

これがOjjaです。美味しそうにお皿に盛りつけられました。




おそらく同じ頃にスペインから渡ってきたキリシタンのグレゴリオ聖歌を、隠れキリシタンたちが今日まで歌いついできた祈りの言葉「おらしょ」。400年という時空を超えてこの祈りの歌を現代の合唱曲として千原英喜先生が作曲された「混声合唱のためのおらしょ」を今、所属している合唱団で歌っています。来週から合唱団は、スペインのバスク地方のトロサという町に旅立ち、国際コンクールのステージで、日本やバスクを始めとする様々な歌を歌います。今回、私は参加できなかったのですが、皆様のトロサでの健闘を心より応援しています♪

聴いてください、寿子先生

2010年10月1日

ひ弱な男とフワフワした女の国日本


1997年に発行され、興味深く読んだ本です。当世の日本人の中身に危機意識を感じ、クールな目線で切り込んでいます。

その1ページ目は、こう始まります。

「昨年(1996年)から今年(97年)にかけて、厚生省官僚の汚職がマスコミをにぎわした。日本に官僚の汚職はつきもので、今回の厚生省の汚職事件がとくにめずらしいということではなく・・・」岡光元事務次官が社会福祉施設への補助金交付などに便宜を図った謝礼として6000万円の賄賂を受け取った疑いで逮捕された事件のことです。

それから14年。政権も変わり、情報公開の大切さが浸透し始め、事業は仕分けされ、社会はどんな方向に動くのか、と期待も寄せつつあったというのに、また、汚職です。

今度は、医療機関に対する指導や監査のトップであるGメンが、コンタクト業者から監査を逃れるための賄賂を3000万受け取っていたのですから呆れる話です。いや、この14年の間も、厚労省が所管する国立感染症研究所の発注工事をめぐり、下請け受注業者から200万のわいろを受け取ったとして元会計課係長が逮捕されたり、昨年5月の障害者団体向け郵便割引制度悪用事件で係長が逮捕されたり、次々にいくつも不祥事がありました。当事者たちは、どうせ省庁とはこんなものだと認識しているのでしょうか。

不祥事が明るみにでれば、今後はこのようなことのないように努めますとか、特別監査チームを作って外部からもチェック機能を働かせますとかの声明が出されます。よくなっていくのだ、と、期待をしていると、こうやって裏切られてしまいます。

本の発行から13年。聴いてください、寿子先生。何も変わらない当世官僚気質。「フワフワした官僚の国日本」。