よくわかる 目の疾患

失明原因の上位を占める眼科疾患から順にわかりやすく解説します。

視神経の障害

視神経の障害■ 視神経の障害には、大きく分けて視神経症(遺伝性、循環障害、外傷、圧迫、栄養障害、中毒などによる)と視神経炎(炎症による)とがあります。

■ 視神経症は、視力低下や中心暗点などの視野異常をきたし、予後が悪く、失明につながる疾患です。代表的なものにレ-ベル氏病という遺伝疾患があります。

■ 原因により、それぞれ特徴的な視野異常を呈し、レーベル氏病などの遺伝性疾患や栄養障害、中毒(エタンブトール中毒など)では中心暗点、循環障害では上下半盲、外傷では周辺視野障害がみられます。


中心暗点■ 視神経炎は、通常片目に起こり、目の奥の痛み(特に眼球を動かした際)を自覚し、急激な視力低下をきたします。 視野は中心暗点を呈し、「見ようとするところが見えない」状態になります。

■ 原因として、ヘルペスウィルスや麻疹ウィルスなどの感染や多発性硬化症などが報告されていますが、原因不明であることが最も多くなっています。

■ 視神経の前方(視神経乳頭部)での炎症の際は、視神経乳頭が赤みを帯び、境界が不鮮明となりますが、後方での炎症の際は視神経乳頭は正常かやや赤みを帯びる程度です。
治療により、発作1ヶ月以内から回復し始め、視力の予後は良好ですが、再発例や多発性硬化症の症例では視力の予後が不良のことがあります。

■ 視神経が障害され回復しなかった場合、やがては神経内の毛細血管が閉塞、消失することなどにより「視神経萎縮」が起こり、視神経乳頭の色は蒼白になり、高度な視力障害に至ることになります。

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