梅雨の日の飛雲閣とシチダンカ

6月のとある梅雨の日、西本願寺の特別拝観で飛雲閣を訪れた。今、大河ドラマで秀吉の「聚楽第」がよくテレビに映っているが、もともとこの飛雲閣は聚楽第の池に佇んでいたとのことで、正面左側の唐破風の屋根の下に、舟の着く部分がしつらえてある。テレビ画面でも、池に浮かぶ優美な建物がちらっと見える。


実は、この建物には、今年2月に札幌の雪まつりを訪れた折、精巧に当寸大に作られた雪像の姿を観て驚かされていた。一度是非、実物を観てみたいと思っていたところであった。

秀吉の勢いが感じられる優雅たたずまいで、金閣、銀閣と並ぶ京都の代表的な建築物であることが納得させられる。大河ドラマで再度確認できることも楽しい。

梅雨の日の静かな京都を楽しんだ翌週、今度は梅雨期の靄に育てられたあじさいを六甲山森林植物園で楽しんできた。


写真は、シーボルトが発見し、オランダに帰国後に著した「フローラ・ヤポニカ」の中に「Hydrangea serrata」として紹介したヤマジサイの仲間、「シチダンカ」。幕末にシーボルトが発見して以来130年が経過した後、「幻の名花」とされてきたこの花が、六甲山で発見されたとのことである。


満開のブルーのシチダンカの中に、ピンクのものも少し混じっていて可愛らしい。そういえば、合唱団の合宿で六甲山頂YMCA に出かけた時も、庭でこの花を見かけた。シーボルトの娘のイネは、日本の女医の草分け的存在。敬愛するイネのお父上の見つけた可憐な花を六甲山で観ることができて、元気をもらえた気分である。