2010.1.17 震災15年祈りのコンサート

震災15周年の今日は、知人にチケットをいただき神戸中央合唱団の「阪神淡路大震災から15年 追悼とい希望によせる祈りのコンサート」を聴きに行ってきた。

1曲めは千原英喜氏作曲のレクイエム。「古事記」の歌謡に荘厳な静かなメロディーをのせたもので、逢えなくなってしまった人たちに対する想いを平和への祈りをこめて歌っていただいた。15年前のことを想いながら、聴き入っていた。

ここで、特別講演「生きる」~神戸からのメッセージ~で壇上に上がってくださったのは日野原重明先生。
ご存知の方も多い聖路加国際病院元院長、現在は聖路加病院理事長で名誉院長の内科医師だ。
お父上が神戸栄光教会の牧師で、また、当時神戸市灘区にあった関西学院ご出身のこともあり、昨年こうべしから神戸大使の委嘱を受けられた。99才になられるとは思えない若々しいよくとおる声で、平和への熱いメッセージを語ってくださった。
核を持つことはなく、核の傘の下にあえて入ろうとする必要もなく、堂々と平和の道を歩んで行くべきである、という主張には全く賛成である。また、59才でよど号ハイジャックを経験してから、ご自身の命は与えられたものであることを自覚され、それからの人生は他者のため、世界の平和のために貢献したいと考えるようになったとのお話にはとても説得力があった。

最後に、スペインのバスク地方の作曲家ブスト氏によるレクイエムを聴いた。レクイエムの最後には、1曲目と同じく古事記から短い部分が作曲されていた。バスクの文化に日本を重ね合わせて作られたのが興味深い。
指揮者の松原千振先生は「日本にキリスト教を伝えたあのフランシスコ・ザビエルもバスク人である。ザビエルは日本人に初めて会った時、バスク人の美徳と日本人は必ず相通じると確信した」と記されている。
医学を修め、合唱指揮者でもあるブスト氏の曲は、穏やかで優しく、合唱とクラリネットの音色が自然に溶け合い心地よい響きであった。