ラジオ関西「三上公也の情報アサイチ!」にゲスト出演させていただきます

新しい仕事を引き受けたり、Facebookに日記のような投稿を始めたりしているうちに、ホームページのモノローグ更新が滞っておりました。

さて、ひょんなことから、来週の今日、4月16日(木)午前9時〜9時20分に、ラジオ関西(558kHz)「三上公也の情報アサイチ!」にゲスト出演させていただくことになりました。内容は主に、花粉症とドライアイの話です。

まずは、花粉症。花粉症は、抗原となる花粉が目やノドなどの粘膜から入り、「感作」が起こることから始まります。「感作」というのは、抗原に対して「IgE抗体」という抗体がリンパ球から大量に作られ、抗原との反応を起こす準備状態をつくる段階です。リンパ球がいちいち抗原をやっつけに行けないため、孫悟空が分身の術を使うように「IgE」と呼ばれる抗体を作って粘膜下に送り出すのです。この段階ではまだ花粉症は発症していません。抗体の量が限度を超えると花粉症を発症してしまいます。この時、IgE抗体は「肥満細胞」という名のリンパ球にキャッチされ、そこに花粉がつくと肥満細胞からヒスタミンという化学物質が放出され、これにより花粉症の症状が出現してしまうのです。花粉症の症状をなるべくおさえるにはどうしたらよいのかについて、お話させていただこうと思います。



花粉の飛散量が多い日は、花粉防護用の眼鏡やマスク、帽子が効果的です。衣服は綿や化繊などつるつるのものには花粉が付着しにくく、羊毛系は付着しやすいです。通勤、通学などお出かけの5分前に比較的即効性の効果のある抗ヒスタミン剤点眼を使用すると症状を軽減できます。帰宅後はすぐい顔や手、目のまわりを洗い、うがいをし、コンタクトをつけている人ははずすようにしましょう。

花粉症予防には、免疫力を正常に保つことが大切で、睡眠のリズムを整え暴飲暴食を控えましょう。最近、アレルギー発症に腸内細菌が関わっていることがわかってきています。腸内の善玉菌を増やすよう、食物繊維を十分にとれるバランスのよい食事を心がけましょう。

花粉症よもやま話ですが、阪神間など西日本では、開発後の土地の緑化のため「オオバヤシャブシ」という樹木が植栽されていました。谷筋のハイキングコース沿いなどに多く生育しています。菌類と混生するため、痩せた土地でも比較的生長が早いため、砂防ダムの法面などにも多く導入されてきました。近年、ヤシャブシがスギより強力な花粉症の原因になり、果物アレルギーも合併することがわかってきました。宝塚市の中山台では住民によるオオバヤシャブシ伐採が進み、1994年からヒペリカム、ナンテン、ラベンアーなどの潤い地区が作られました。神戸でも企業や市民グループの方々などが伐採を行い、ヤシャブシの花粉症を減らすことが出来ました。スギ花粉症に対しても、伐採や花粉の少ない品種への改良などが行われていますが、効果が現れるのはまだ先の話のようです。

次に、ドライアイの話。ドライアイの症状を楽にするには、目を温めることが効果があると言われています。実際の治療の中心は目薬をさすことになります。これまで、人口涙液や保湿性のあるヒアルロン酸製剤が使われていましたが、最近、新しい点眼が登場し治療効果が向上しています。目の表面は「涙」と「粘膜」で常に潤っています。「涙」は水分とムチンが混じっている液層の上を油分が覆って蒸発を防いでいる二層構造をしています。ムチンが減ると涙の質が悪くなり目が乾きやすくなります。新しい点眼薬には、水分とムチンを増やす作用があるものや、粘膜を修復・保護する作用があるものがあり、涙の質を改善させ角膜の障害を治す効果が期待されます。

昨年11月15日(土)の神戸新聞「兵庫の医療」のページで、新しい点眼による涙液の層別治療について解説させていただいています。
http://www.taniganka.com/publish/images/201411kobeshinbun.jpg