オペラ「ラダミスト」

台風17号が列島を縦断した9月30日(日)、午後から増してきた風雨の中、伊丹アイフォニックホールにヘンデル作曲のオペラ「ラダミスト」の日本での初演を観てきました。

主役のトラキアの王子ラダミストを演じたのは、兵庫県眼科女医会でも歌を披露していただいたことのある松岡万希さん。あのときは女性らしい優雅な独唱を聴かせていただきましたが、今回は凛々しい王子役。表情も険しく勇ましく、力強さがみなぎっていました。ラダミストの姉の役を演じたのは神戸市灘区在住の老田裕子さん。美しい王妃の役を華麗に演じられていました。二人とも各種コンクールでの一位入賞の経歴をもつ実力派で、劇場を豊かな声量で震わせてくれました。

舞台は、1世紀半ば頃のアルメニアとトラキア。当時のこれら王国はとても栄えていましたが世界地図の中でどこにあるのか実感がわかないまま観劇していました。ところが、今週の始めにアルメニアの防災関係の機関から6人の幹部が神戸に来られていたということを偶然に知り、ちょっとアルメニアという国に興味を覚えました。オスマントルコやソ連の支配、隣国のトルコやアゼルバイジャンとの厳しい対立を経てわずか21年前に独立を成し遂げた国で、私が高校時代に世界史を習っていた頃にはまだ独立していませんでした。コニャックやワインが美味しい国のようです。古代の王国に思いを馳せつつ、お酒とともにアルメニア料理を食べてみたいですが、神戸にはまだアルメニア料理の店はないようでした。