2011年1月 のアーカイブ

初句会

2011年1月11日

以前からお誘いを受けていながら、なかなか顔を出せなかった句会に、勇気を出して初めて参加してきました。俳句を作るのは、小学生以来のことです。お題はお正月。新年初めて起こったこと、見たものを詠んでくださいとのこと。新年はニュージーランドで迎えたので、旅の想い出を詠んでみました。

雲を突き 切り立つ山を背に 初日

午前5時50分の日の出に合わせて起きて、ホテルの前庭に出てみると、目の前にマウントクックの頂点が雲を突いて切り立っていて、後ろから、少し曇っていましたが初日が。

初空に マウントクック 聳え立つ

雨が多く、日本の数倍の降水量のあるこの地で、初めて見るマウントクックが、青空のもときりりと聳え立つのを見る事ができたのは、新年早々とても幸運でした。

初旅や 葉先に垂れる 猿おがせ

朝食後にマウントクックを眺めに付近をトレッキングした時、ガイドさんが猿おがせを指差しました。猿おがせは、綺麗な空気の深山の針葉樹に着生する樹状地衣類。薄黄色の枝分かれした糸状の体が枝葉から長く垂れ下がります。予選に選んでいただいた選者の五十嵐先生から「初旅で、珍しいものを見れましたね。」と言っていただきました。

家移りで 大回りした 賀状着く

一昨年に転居したため、宛先不明で差出人のところに帰っていた賀状も多く、出し直していただいたものが旅から帰ってきたころに手元に届き始めました。

旅の感動もさめやらないうちに詠んだので、楽しく作ることができました。あとで俳句作りの解説を見てみると、切れ字などの決まり事がうまく表現できていないなと反省しきり。少し勉強してみなくては。

サカサマの世界

2011年1月7日

お正月にニュージーランドへ行ってきました。さまざまな発見があり、一度には書ききれないのですが、まずはサカサマ世界のお話を。

南島のマウントクックを見晴すハミテージホテルにチェックインし、日没を待って星空鑑賞ツアーに出かけた時のことです。

まず見えた一番星は、北半球ではなかなか見られないと言われる木星。一等星級の明るい星が西の方に輝いています。北の空には、見覚えのあるオリオン座が。・・でも、なんだか違う感じです。なんと!オリオン座がサカサマになって輝いているのです。南の空に、待望の南十字星を見つけました。これも、写真で見るのとはサカサマで十字架がひっくり返ったかたちです。すぐにはその理由が浮かばず、思わずガイドさんに質問してしまいました。

その答えは・・実に単純なものです。地球が丸いから。言ってみれば、その時私たちは、北半球から見ている時とはサカサマになって星空を見ていたのです。不思議の国のアリスのさかさまの部屋に入り込んだみたいです。南半球では星座が上下サカサマに見えること、ニュージーランドに来るまでは意識していませんでした。

でも、見えた星座をサカサマだと言うのは、北半球の住民の勝手な見解で、南半球の人たちにとってはいつもの星座なわけです。一方的な見方をしてはいけない、と、戒められたような気分でした。